寄稿によせて、実は……。

June 20, 2017

 先日ご紹介しました山形新聞に寄稿した元原稿ですが、実はあの元原稿の前後には、さらに前段、後段がありました。内容は、『新庄亀綾織』の現状と今後の展開についてです。両段の原稿を紹介しますのでご覧ください。

 

(前段)

 

 今年の3月に、京都西陣の西陣織の伝統工芸士である職人さんが、ツイッターで織手を募集したところ、その条件が酷いと批判が殺到した。ネットニュースやテレビのワイドショーなどでも取り上げられ、ご存知の方も多いと思われる。批判された条件とは、「半年は給与なし」「その後の仕事の保証なし」である。これだけを見れば、批判されるのももっともと思われるが実際は、西陣織の職人が減りゆくなか、若い織手の不足を心配した職人さんが、技術を無料で教授したいという趣旨であった。しかし、その間の生活の面倒は、職人さんには余裕がなく、面倒は見れないということである。実は、現在の新庄亀綾織も同じような状況にあると言える。

 

(後段)

 

 まず、早急に取り組むべきこととして、(1)小物商品の外注や販売の完全委託など、織手が織りに専念できるように職場環境の改善(2)織手の収入の保証や休憩室の確保などの織手の待遇改善(3)希少価値の高い、高級絹織物としての新庄亀綾織に見合った価格の設定(4)ホームページの開設やメディアへの情報提供などの県内外へのPRと新庄亀綾織の伝承、を挙げて取り組んだ。伝承協会(機織り長屋)の移転やホームページの開設、まだ十分とは言えないが織手の待遇改善など、ほとんどのことを改善してきた。

 また、1年以内に取り組むこととして、(1)和装小物を中心とした、現在ある商品の精選と新しい商品の開発、着物生地としての一反ものの受注生産(2)都市部の和装問屋等への売り込みやホームページを活用した小物商品の通信販売などの販路の拡大(3)亀綾織の伝承と安定供給のために、織手の確保と育成、を挙げて取り組んでいる。

 そして、3年以内には、(1)一反ものの安定供給(2)希少価値の高い、高級絹織物としての「新庄亀綾織」のブランド化。

 さらには、可能であれば5年以内に染色技術と図柄の考案、そして将来的には、生糸の生産が夢である。

 生地としての売り込みについては、名前を言えば、誰もが聞いたことのある和洋を問わず、国内の複数の世界的な有名デザイナーにも生地見本を送り、売り込んだ。どのデザイナーも優れた素材として高く評価し認めてくださったものの、生地のサイズと価格の面で折り合いがつかなかった。ブランド化を目指すには、有名デザイナーに使っていただくことも大事だが、逆に、だからこそ安売りはしたくなかった。

 現在、京都染織文化協会を通じてご紹介いただいた、京都の老舗の着物問屋さんと懇意にしていただいており、社長自ら2度新庄に来ていただき、ご指導ご助言をいただいている。伝承協会からも、これまで会長はじめ、4名が京都の会社にお邪魔し、お世話になっている。この会社は、国内のみならず、世界的に企業展開されており、学ぶことが非常に多い。6月にも新庄にお越しいただく予定である。

                              (以上)

 

 実は、京都の老舗の着物問屋の社長とは、株式会社 細尾の11代目である細尾真生社長です。予定通り、6月下旬に新庄にお越しいただきました。その際の詳細につきましては、後日改めてご紹介させていただきます。

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